おしっこは泌尿器科の窓口で大変重要な情報源です。関係ないと思っても初めての時は、必ずおしっこの検査をすると思っておいてください。
おしっこの取り方には、普通に尿コップで取る以外にも色々な方法があります。
特に、女性の場合はカテーテルという細い管を使った採尿方法が必要なことがあります。緊張したり、無理に動かなければそんなに痛い検査ではありません。
必要性をご説明しますので出来るだけ協力してください。
一番恥ずかしいなるべく隠しておきたい部分を診せていただきますので、充分プライバシーを守って対処いたします。
子供さんは医者に来るだけで緊張していますので、ご両親の協力が必要不可欠です。どんな状態であったか、今はどうなのか、以前にもあったのかなど情報を整理しておいてください。
* お願い* 来院する前に「言う事を聞かないと注射されるよ」などと脅しをかけないでくださいね。
その他の色々な検査や処置が必要なときには、その都度、前もってどんな検査でなぜ必要なのかをご説明して了解していただいています。その上で準備していただく事やしてはいけないこと、しておいていただくことなどご説明します。
遠慮なくわかるまで質問してください。
おねしょ(夜尿症)
おねしょでお悩みの家庭は多いことと思います。泌尿器科にいらっしゃるまでには様々な民間療法、言い伝えなどを試してみたことでしょう。
最初に申し上げる事は、「大人になってもおねしょを毎日している人は無い」ということです。原因となる病気がある場合を除いて、ある程度の時期を待てば自然に少なくなってきます。問題はそれまで待てるかどうか、ということです。早く治してやりたいという親心は切実なものがあるでしょう。
3大原則は「焦らず・怒らず・起こさず」です。
最初のおねしょ対策についてはインターネットでも検索できます。
代表的なものを挙げておきます。アクセスしてみてはいかがでしょう。
包茎
男の赤ちゃんのおちんちんは、生まれたときにはほとんど包茎です。それが自然な事です。おしっこがちゃんと出ていればかまいません。日本人にはおとなになっても包皮が長くて勃起したとき以外は皮をかぶったままの仮性包茎の人が多い人種ですので、ちゃんと排尿できて射精できれば生きていく上で何の問題もないといえるでしょう。
外国では、宗教によって割礼(亀頭の先端が出るように皮を切る)を生後間もない時期に行なう事がありますし、かなり積極的に小さい時期に処置してしまうことが多い様です。
我が国では従来から自然にむけてくるのを待ってあまり積極的に手術を勧めることはありませんでした。最近では、3歳児検診のときに小児科の先生が診てくださり、泌尿器科受診を勧めてくださることが多くなってきました。
手術をお勧めするのは、
1. まったく亀頭が見えずおしっこが真っ直ぐ出ない
2. 皮の中に溜まったカス(恥垢)にばい菌が入って炎症を繰り返す
ときです。出来るだけ手術をしなくてすむような手当ての仕方も指導します。3〜4歳くらいで気になる方は連れてきてみてください。
その他
停留睾丸(玉が袋の中に見当たらない)や女の子の膀胱炎・陰部ただれなど。
まず、かかりつけの小児科の先生に相談してみて判断を仰いで下さるのもよいかと思います。
多い疾患はやはり性行為感染症です。
淋菌・クラミジアによる尿道炎の感染率はかなり高率です。最近では,感染者の低年齢化が進み14,15歳はめずらしくありません。症状が比較的軽いためにわかりにくいクラミジア感染症が多く、抗生物質に抵抗して治療に時間がかかるケースの増加が目立ちます。
前立腺炎
男性特有の器官である前立腺は、精子を守るための液を造る臓器で、尿の通り道に分泌液の出口が開いているために、尿道炎等をおこすばい菌が入り込んで炎症を起こすことがあります。尿が溜まってくると下腹部の不快感があったり尿をする時に違和感や軽い痛みなどがおこったりします。長い時間座っている仕事や長時間車の運転をするような職業の方に多い様です。不快感が増すようならきてみてください。
その他
尿路結石・睾丸炎・副睾丸炎・血性液症(精液に血が混じる)など
なんといっても多いのは膀胱炎です。
女性は、尿の出口が膣や肛門に近いという構造になっていますので、疲れや冷え、尿を我慢したとき、生理やおりものの増加、便秘などの条件によって比較的簡単に膀胱までばい菌が入り込む事になってしまいます。
きちんとばい菌の種類や量を確かめて治療しないと慢性化しやすくなります。再発を防ぐために気をつけることなどを知っておいてください。
血尿
健康診断や簡易検診などでもおしっこの検査は必須項目です。
そのときに尿潜血陽性あるいは(+)などと言われて精密検査を勧められる場合があります。女性は生理もありますし普通にコップで尿を取るとまわりの雑菌や不純物が混じりこむ事があり、便秘や痔のある方も多いので、ある程度は検査機関の、判断する保健婦さんや医師も様子を見ます。しかし、繰り返し出る場合や程度がひどくなってきた場合は泌尿器科受診してください。
まず、膀胱の中に溜まっている尿を清潔に採取します。その尿の中の細胞や細菌の検査、さらに超音波やレントゲンを使った検査などを行なって調べてゆきます。血尿すなわち膀胱癌・腎臓癌というわけではありませんが、尿潜血を指摘されてなんにも自覚症状が無いからそのままというかたも一度きちんと調べてみましょう。
その他
慢性膀胱炎(繰り返し膀胱炎を起こす)・神経性頻尿症(尿がやたらと近い)・腹圧性尿失禁(咳をしたりお腹に力を入れると漏れる)等