人間は歳をとります。これは避けようのない事実です。歳をとるとともに色々な事が衰えてきます。泌尿器系にも老化現象があらわれます。代表的な病気が男性の前立腺肥大症でしょう。
(良性)前立腺肥大症
若いときに精子を守るために活躍した前立腺も、歳とともに本来の必要性がなくなってきます。まだまだ現役の方も多いでしょうが、ちょうど女性の更年期にあたる50歳台後半ぐらいからホルモンのバランスの乱れによって肥大してきます。若いころに比べればおしっこの勢いはなくなってきているでしょう?これは前立腺の中を尿道が通っているために圧迫されて狭くなるからです。全ての男性に前立腺肥大はおこりますが、病気として治療が必要になるのはおよそ3割から4割ぐらいです。
- 排尿が自分の思うとおりにならない
- 頻繁にトイレ通いしなければならず日常生活が制限される
- 腎臓の機能が弱ってきていると言われた
こんな方は前立腺もチェックしてみましょう。
女性では年齢から来る症状としては頻尿(たびたびトイレにいく)尿失禁(尿が漏れる)が多いようです。
ちまたで話題のお薬です。本来は正しい治療薬なのですが、いまだによからぬ妖しいうわさが先行しているようですね。ここで少し情報を提供しましょう。
Q:何のための薬?
勃起不全(ED)患者さんのための勃起不全治療薬です。性欲を高める効果はありません。したがって催淫剤や精力増進剤ではないのです。
Q:どんな人が使うの?
原因の如何にかかわらず勃起障害(勃起できないか勃起しても持続できないために満足な性交渉が出来ない状態)を持っている方です。今まではインポテンツという用語を使っていましたが最近は国際的な一般用語であるEDを用いています。
Q:どうしたら手にはいるの?
現在のところ医者が処方します。薬局では販売していません。
副作用や使用法に厳重な管理が必要な場合があるので、ある程度の検査をしてから必要な方に処方します。
Q:費用は?
保険診療はできません。全て自費です。50mg錠が1錠1300円です。その他検査料診察料処方料などが加算されます。
Q:使い方は?
薬の作用のなかにある特殊な条件下では、目的とする以外の効果が出てしまうことがあります。使用法使用時期なども特徴がありますし容量も守っていただく必要があり、絶対に併せて使ってはいけない薬などがあります。
詳細は薬を差し上げるときに注意事項をご説明しハンドブックを差し上げます。
腎臓癌・副腎癌・尿管癌・膀胱癌・前立腺癌・精巣癌などについて診察し検査して治療します。
腎臓癌(腎細胞癌)
片方の腎臓に発生することがほとんどですが、ある程度の大きさにならないと自覚症状(痛み・血尿など)はあらわれてきません。最近は健康診断などで超音波を行なう事が一般化してきましたので、小さいうちに発見される事が多くなりました。手術で摘出しますが大きさや転移のあるなしによっては切開することなく、腹腔鏡という内視鏡による手術が出来ます。手術の前後に抗癌剤治療をあわせて行ないます。
膀胱癌
痛みを感じてないのに、目で見てもわかるような血尿があったら要注意です。健康診断で尿潜血(目で見てもわからない血尿)陽性といわれたら念のため検査しましょう。
まず、尿中の細胞の検査をします。確実に診断するためには膀胱鏡検査を行い組織を採取して悪性度を確認します。大きさや悪性度によって手術を行ないます。程度によっては膀胱を取らなければいけない場合もあります。その後の治療は抗癌剤を膀胱の中に入れたり内服薬や注射なども使用します。
前立腺癌
最近高齢化が進むにつれて多く発見される事になってきました。前立腺肥大とはまったく別の病気です。特徴は非常にゆっくり発育する事で発生率が高いのは、70歳台です。
内服薬や注射剤でコントロールできれば生命に影響することは比較的少ないようですが若い世代に発生するとどんどん進行してしまいます。
最近は、血液検査で前立腺特異抗原を測定する事により比較的早期に発見できるようになりました。確実には前立腺の組織を少量採取して診断します。
増殖を抑えるための新しい治療薬が開発されています。